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『武器商人を経営分析する!』東急不動産だまし売り裁判に通じる戦争の陰謀
2011.12.27Tuesday
ヘンリー・オーツ『武器商人を経営分析する!』は近代以降の戦争の歴史を経済的側面から分析した書籍である。本書の主張は明確である。戦争は政治的な利害対立ではなく、戦争で儲けようとする勢力によって起こされると主張する。具体的にはロスチャイルド家が戦争を通して富を蓄積していったとする。
その内容はロスチャイルド陰謀論として流布されている説と同様である。たとえば明治維新を勤王の志士達の自発的な動きではなく、列強の武器商人にプロデュースされたものとする。これはベンジャミン・フルフォード『世界と日本の絶対支配者ルシフェリアン』にも見られる。しかし、本書には陰謀論的なおどろおどろしさはなく、経済的な視点を前面に出しており、陰謀論に拒否感のある人々でも読みやすい。さらに本書は銀行による信用創造の欺瞞にも矛先を向け、金融資本主義の矛盾を鋭く突く。
一昔の市民運動は政治に関心が偏る傾向があった。労働運動さえ職場の問題を放置して護憲運動や平和運動に精を出していると揶揄されたほどである。しかし、マルクス主義が経済を下部構造と定義したように経済を無視した分析は空論になる。
現実に退潮傾向にある日本の左派が再評価された契機は年越し派遣村など反貧困の運動であった。派遣切りによって住む場所も失うという経済問題に取り組むことで、苦しむ人々の受け皿になれるものは左派という実態を示せた(林田力「主権回復を目指す会が在特会を批判」PJニュース2010年8月21日)。
評者自身も社会性を深める契機は経済問題である。東急リバブル・東急不動産から不利益事実を隠して新築マンションをだまし売りされた裁判であった(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社、2009年)。
そこではマンション住民同士の対立、管理会社に抱き込められた管理組合役員、地上げブローカーの暗躍など、だまし売り被害者を消耗させ、結果的に東急不動産への責任追及を鈍らせかねない事象にも遭遇した。それ故に戦争が一部の勢力の金儲けに利用されているとの本書の主張には実感を抱くことができる。
本書は『武器商人を経営分析する!』では「30年の寿命の住宅を30年のローンを組んで買うことこそ環境破壊と貧困の最大の問題だった」と不動産業の矛盾も突いている。著者の加入する市民団体「市民が求め創るマニフェストの会」でもゼロゼロ物件被害など現実の経済問題を政策立案の出発点としている。本書は現実の問題から目をそらすためのファンタジーな陰謀論ではなく、地に足ついた運動に位置付けられるものである。
http://www.honzuki.jp/book/book/no165390/index.html
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